ダブルスピン投法

「WS投法をマスターする」といった言葉をよく聞きますが、これは意味がよくわからないです。
WS投法という投球原理は、人間にとって理想的な投球原理であり、理想的なフォーム(モーション)になるのです。
ですので、「マスターする」というのは間違いだといえます。理想的なフォーム、モーションを追求する。それがマスターするための
道だと思います。結論、ダブルスピンの投法原理自体は理想のフォーム、モーションである。
それ以外に、ジャイロボールを投げるためのWS投法もあります。魔球の正体などに載っている様な、ジャイロリリースなど、
ジャイロボール専門用のフォーム、モーション。それはジャイロ用WS投法でしょう。そこら辺をしっかり区別していただきたいです。
さて、ここで紹介するのは、ジャイロ用WS投法の説明です。ジャイロ用でない、普通の理想フォーム、モーションはTOPにあるものですので。

ジャイロ用ダブルスピン投法論

ダブルスピンとは、ダブル(2つ)のスピン(回旋)を利用する投法です。簡単に言えば、体の2つの回旋運動を重要視するのです。
1つ目の回旋軸は背骨を中心とした回旋運動(1st)、2つ目は肩甲骨から肘までを軸とする回旋運動(2nd)です。(図1)

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図1 2つの回旋運動

これら2つのスピンが絶妙なタイミングでリンクすることで、理想的なWS投法が実現します。
理想的なタイミングとは、1stスピンがより深く進んだときに2ndスピンがはじまるタイミングです。
ダブルスピン投法に必要なモーション(魔球の正体を基とする)
1.根を生やして
ココで必要なのは、根を生やす。つまりリフトアップ時に足に根っこが生えているかのようにぐらつかない、どっしりとした安定感のある
リフトアップが必要です。この時点でぐらついていたり、バランスが悪ければ次への動作にも当然障害がおきてしまいます。
「たってぐらつかない」は基本ですが、WS投法でも必須モーションの中で捉えられているほど重要なことだということでしょう。
また、この際、Y字バランスのようにリフトアップすることが理想です。
それは、骨盤がバッテリーライン(投手と捕手を結ぶまっすぐの線)にあると、1stスピンを妨害してしまうからです。
そのために、リフトアップの段階からトの字バランスになるのではなく、Y字バランスをして骨盤をバッテリーラインに残さないようにするのです。

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バッテリーラインに骨盤を残さないためにも、軸足のかかとより後ろに骨盤がある状態が好ましい

2.エッジを効かせて
次に、1stスピンのエネルギーを確保するために、並進運動を行わなければなりません。並進エネルギーが十分でなければ、
1stスピンのパワーも弱くなってしまいます。並進運動を十分に行うためには、エッジングが重要です。
足の内側を地面に食い込ませる(エッジを利かせる、エッジング)ことで、地面からの反力を最大限に使うことができ、
また、エッジングによって上半身の突込みを押さえたヒップファーストがおこり、ステイバックを保ちながら理想的な並進運動が可能になります。
このエッジングは踏み出し足が着地する寸前まで維持できれば合格ラインといえます。

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エッジングが始まる=ヒップファースト・ステイバック、重心が前下方向へ落ちるということ。

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踏み出し足が着地する直前までエッジングが維持できれば粘りのある下半身に。

3.(Cアーチを)架けて
途中、Cアーチという橋を架けなければいけない場面があります。ピッチングには、そこで1度動きをまとめるようなシーンがあります。
それがこのCアーチのシーンです。このCアーチは踏み出し足が着地する寸前、つまり1stスピンが始まる前に現れます。
このCアーチは、深いエッジングと、ヒップファーストによる丸みを帯びた上体、スクラッチモーションによる腕の動作から作られます。

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この状態を背面から見ると「C」の形に見えるのでCアーチと呼ばれる。

4.うねり上げて
Cアーチをかけた後、うねりというネジリ戻しがおこります。まず、エッジングをしていた足のかかとが離れ、うねりが足首を伝わり、
膝まで届けば膝は内旋し、うねりがさらに股関節へ届き、骨盤がスピンします。このとき、上半身はまだ回らずに粘り、
できるだけ胸を打者に見せないように我慢する。その後もうねりは伝わり、右側の背中、肩甲骨へと伝わり、腕は外旋し、やがて
それら(ループモーション)によって逆Cアーチが完成します。

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うねり上げの全容

続き製作中
参考文献 著・手塚一志「魔球の正体」

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